女子にもわかる自衛隊

彼氏にしたい職種・職域~②需品科隊員

身の回りのことが自分でできる自衛官

「自衛官とお付き合いするとこんないいことがあるよ」のひとつに、「自分の身の回りのことを自分でできる」があります。 おうちデートをしているとき、また結婚後も、「彼氏・夫が身の回りのことを彼女・妻にまかせっきりにする」というトラブルは起きがちです。その点、自衛官は入隊後に掃除や洗濯、アイロン、靴磨き、お裁縫といったことを徹底的に叩き込まれるので、これらの能力は身に付いています。 ただ、自衛隊での生活でなく、彼女の家や結婚後の家庭でも「どのくらい自ら率先してやる」かは個人差があると思いますが……。

彼氏にしたい人気スキルを身に着けた、需品科隊員!

「身の回りのことができる」「家事ができる」という彼氏・夫の人気スキルを身に着けている自衛官ですが、中でも特にこの能力に長けた職種・職域があります。それが需品科です。 「需品科」という言葉はなかなか耳慣れないかもしれませんが、災害派遣で被災者のために、お風呂を作ったり食事を作ったり給水をしたり……という光景、テレビなどで一度は見たことがあるのではないでしょうか。あの活動をしているのが、需品科の隊員です(需品科で専門の教育を受けた他の職種の隊員が、これらの活動を行っている場合もあります)。

自衛官のためのノウハウを、被災者のために

ここでちょっと豆知識。屋外でのお風呂、食事、給水のために、需品科は専用の車両や装備を持っていて、それらを取り扱う訓練を行っています。テレビではこれを災害派遣でしか見ることがないので、これらは「災害時に被災者のために揃えている」と思っている方も多いようなのですが、実はこれらすべては自衛官のための物です。 自衛官は屋外での活動が多いため、屋外でもお風呂や食事、給水ができるように専用の車両や装備を持ち、訓練をしています。そしてその車両や装備、訓練で培ったノウハウを、災害時では被災者の皆さんにも活用しているんです。

家事以外にも修理まで。しかもクオリティー高し!

需品科の業務は幅広く、お風呂、食事、給水の他に、燃料や被服を補給したり、自衛隊にあるさまざまな物や車両の整備も行っています。ですので、需品科隊員は器用な方が多いです。 以前、取材させて頂いた需品科のある部隊では、洗濯をして、破れた迷彩服をミシンで補修して、カーテンや枕カバー、バッグもミシンで手作りして、さらにはブラインドや洗濯機なんかも修理していて、「一家にひとりこんな人がいてくれたら、毎日がすごく快適だろうなあ」と思いました。ミシンで手作りしている物もクオリティーが高く、「フリマアプリで高く売れそうだな……」なんて思ってしまったほど(笑)

「人のために何かをする」需品科精神

料理やお裁縫といった家事だけでなく、家電や水回りも簡単な修理ができちゃう需品科隊員。その腕前は担当業務や熟練度によりますが、こんなことができる彼氏ってすごくかっこいいですよね。 そして、需品科隊員のおすすめ度はそれだけではありません。彼らは日ごろの業務で「人のために何かをやる」というサービス精神も身に着けているんです。 お風呂も食事も給水も、お裁縫も物の修理もすべて、需品科隊員は「人のため」に日々行っています。需品科には「心情あふれる支援」という「需品科精神」を表した言葉があります。この言葉通り、需品科隊員は「人のために」黙々と作業をし、しかも細やかな気遣いができる、おだやかな性格の方が多いです。

「ありがとう」でお互いのために頑張りましょう

今回は、「彼氏にしたい需品科隊員」のお話でした。私自身も、需品科隊員の方と接するたびに、「こんな旦那さんと結婚出来たら最高だろうな」と思います。 以前、ある需品科隊員の方に「こんなにいろいろできるって、奥様に喜ばれません?」と聞くと、「いやー、家じゃあんまりやらないですけどね」と返ってきましたが……(笑) でも、やりたくてもできないのと、そのスキルを持っているのとでは大違い。彼女さんも彼氏のためにできることを心を込めて頑張っていたら、需品科隊員の彼氏さんも「彼女のために」と頑張ってくれるんじゃないかな、と思います。もちろん、何かをしてくれたら「ありがとう」は忘れずに。需品科隊員に整備などをお願いした他部隊の隊員も、作業が終わったら「ありがとう」は欠かしませんから。

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