女子にもわかる自衛隊

自衛官は、宇宙語を話すものと心得ましょう!

いつか役立つ!かもしれない?

私はライターのお仕事と、もうひとつ、陸上自衛隊の「予備自衛官」というものもやっています。
予備自衛官という言葉はあまり耳慣れないかもしれませんが、「非常勤の自衛官」のことです。災害や戦争が起きてしまって「常勤の自衛官だけじゃ人が足りなくなってしまった」というときに、普段のお仕事を休んで自衛隊のお仕事をする……という人間です。何も起きてないときでも、毎年数日間、自衛隊で訓練を受けています。
そして、ライターでも「自衛隊のことをたくさんの人に伝える」文章を書いています。全国の陸海空自衛隊の部隊にお邪魔して、取材をさせてもらって記事を書いています。

ですので、私はお仕事や予備自衛官で、たくさんの自衛官さんと関わっています。そして自衛官のお友達もたくさんいます。
今回は、「結婚相手に自衛官ってアリかも?」と思っているみなさんに、「こういうことを頭に入れておくと役立つかな?」というお話をお送りしていきますのでぜひご参考にしてみてください!

自衛官と合コン!……で、気になること

自衛隊に関わりのある人間なので、周りの女子たちから「自衛官と合コンしたい!セッティングして!」と言われることがよくあります。そして私も一緒に幹事として参加することがあります。そして、毎回あることが気になっています。
というのも、自衛官は難しい言葉ばかり使うんですよ。彼ら、自衛隊の専門用語をよく使うんですよ。
例えば。
合コンでは、まず「初めまして~」とご挨拶しますよね。すると次は「なんのお仕事してるんですか?」という話になりますよね。女子チームは「アパレル系です」「看護師です」「メーカーで総務やってます」などなど、とっても分かりやすいんです。しかし問題は、男子チーム。
男子チームは全員自衛官です。なので、「自衛隊でどんなお仕事をしているのか」という話になります。そして、出てくるのが、
「ソナーです」
「カキョウチュウタイです」
「ヨウゲキカンセイです」
……以上。

どんどん聞きましょう!分かるまで聞きましょう!

ソナー、カキョウチュウタイ、ヨウゲキカンセイ……みなさん、これ、何のことか分かりますか?こんなナゾの宇宙語を言われて、「???」以外に感想があるでしょうか?
でも、女子たちはみんないい子なんです。頭の中に「???」がぐるぐる回りつつも「そうなんですか~」とうなずいてあげるんです。だって、「ソナーです」と言い切られたら「なにそれ?」って聞きにくいですもんね。言い切られたら「知らないの私だけかな?みんな知ってることなのかな?聞いちゃいけないのかな?」って思ってしまいますもんね。特に初対面同士でみんなちょっと緊張していますし。
……なんですが!
みなさん、どんどん聞きましょう。
彼らがしゃべる宇宙語は「一般的な女子はみんな知らない宇宙語」です。知らなくて当然です。どんどん聞きましょう。分かるまで聞きましょう。それが、会話の取っ掛かりにもなりますから。

イロイロある、自衛隊のお仕事

ちなみに、「ソナーです」はどういう人なのかというと、「音波を探知する人」です。自衛隊は、「海になにか異常はないかな?」とパトロールしています。「日本の周りの海に、変な潜水艦とかいないかな?」と音波で探知しています。「ソナーです」の人は、こういうお仕事をしています。
そして「カキョウチュウタイです」は、「川に橋を架ける人」です。地震や台風などの大きな災害が起こったとき、橋が崩落してしまうことがありますよね。でも橋が使えなかったら、被災したみなさんにごはんや毛布を運ぶことができません。ので、そういうときは自衛隊が臨時の橋を掛けたりします。自衛隊がパパパーっと簡易型の橋を架けて……というシーン、テレビのニュースで見たことある方も多いのではないでしょうか。「カキョウチュウタイ(架橋中隊)です」の人は、こういうお仕事をしています。
また、「ヨウゲキカンセイです」の人は、「戦闘機に指示を出す人」です。「要撃管制」と書きます。日本の領空に怪しい飛行機が入って来ようとしたら、戦闘機が「どんな状況なのか」を確認するために飛んで行きます。そのとき、戦闘機に「ここに行って」や「こういう動きをして」という指示を地上から出しているのが、「ヨウゲキカンセイです」の人です。
……なんて、言われなければ分からないですよね。一般的な女子は。

緊張してるのは、自衛官も同じです

「ソナーです」
ではなく、
「ソナーです。ソナーっていうのはこういう仕事なんですよ」
と自衛官からすらすら話してくれるといいんですが……でも、それは望まないでおきましょう!
なぜかというと、彼らも緊張しているんです。初対面の女の子たちを前にして、とっても緊張しているんです。
「自衛官」というと、「頼りがいがありそう」「気が利きそう」「リードしてくれそう」といったイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。でも、当然ですが、彼らも「ごくごく普通のお兄ちゃん」です。
ですので、頼りがいがあるのか、気が利くのか、リードしてくれるのか……は、残念ながら「人に寄る」としか言えません。そういう人もいますし、そうではない人もたくさんいます。
そして「とっても緊張」は、「ごくごく普通のお兄ちゃん」よりも酷いかもしれません。というのも、女子と接し慣れていなかったりするんです。自衛隊に、女性は全隊員のうち5%しかいませんから。そしてその5%のうち、若い女子はさらに少ないですから。
自衛官は、みなさんみたいにオシャレしていい匂いさせてキラキラ笑顔を向けてくれる女子を目の前にして、とっても緊張してるんです。……もちろん、これも人に寄りますが。

「それ何ですか!?」その一言がキョリを縮める!

もし、自衛官が宇宙語を口にしたら……「それなんですか?」とぜひ聞いてみてください。もちろん、女子のみなさんも緊張していると思います。だから、「ソナーってなんですか?」「カキョウチュウタイってなんですか?」のひと言でいいんです。ぜひ、「???」のままで終わらせずに聞いてみてください。「ヨウゲキカンセイってなんですか?」と聞いたら、「スクランブル発進のときに……」とさらにナゾの宇宙後が出てくるかもしれませんが、そのときはまた「スクランブルってなんですか?」と聞いてあげてください。「スクランブル?……スクランブルエッグ???」と自分で理解しようとしたら、誤解のまま話が進みませんから。
もし、みなさんが「それなんですか?」と聞いてくれたら、自衛官はすごく嬉しいです。みなさんも、自分が好きなことやがんばっていることを聞いてくれるのは嬉しいことですよね。「こんなのが好きなんだよ」「こんなことをがんばってるんだよ」と話を聞いてもらえたら、嬉しくて「もっと話したい」と思いますよね。
それは、自衛官も同じです。さらに、自衛官は自分の仕事がとっても大好きで、仕事をとてもがんばっています。自分の仕事に誇りを持っています。だから、「それなんですか?」って聞かれるとものすごく嬉しいし、「もっと話したい!」とより一層思います。そうなると、自然に会話も盛り上がりますよね。「楽しい」と感じる時間が増えますよね。「楽しい」という時間を共有すると、相手のことがどんどん好印象になっていきますよね。
合コンやパーティーで自衛官とお話するとき、自分のことを知ってもらうために自分の話をすることも大事です。でも、あえて相手の話を積極的に聞いてみてください。ポイントは、
「宇宙語が出たら、『それなんですか?』」
みなさんと自衛官との時間が、とても楽しいものになるよう、応援しています!

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