自衛官妻の心構え『災害派遣と自衛官の家族』
こんにちはERIKAです。
熊本を中心に発生している一連の地震により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げると共に被災された方々には心からお見舞い申しあげます。
皆様の安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
昨今、自衛隊が災害派遣等で活躍する姿をTVや新聞で見る機会が増えました。
『自衛官と結婚したい!』と思う女性なら一度ならずあると思います。
実際に「活動する自衛官がかっこいい!」「災害の時に助けてもらい感謝している」などのお話をクラブ会員の女性から何度も聞いたことがあります。
ですが、私たちの日常生活において自衛隊よりもっと身近に所在しているのは自衛隊ではなく警察や消防です。
近所に消防署や出張所、警察署や派出所などを見かけた事があると思います。
自衛隊は所在地に行かないとなかなか見かけることがないと思います。
私も主人と出会うまで自衛官と会って喋ることは一度もありませんでした。
今では警察や消防と同じくらい自衛隊や海上保安庁を身近に感じてもらっているのではないか?
という淡い期待を持っています。
私個人の意見としては、昔に比べて今は自衛隊が
「警察や消防、海保や各企業や自治体様々な機関がそれぞれに協力し連携が取れるようになった!」のが大きな理由の一つだと思います。
戦後最大規模と言われた阪神・淡路大震災発生当時、自衛隊は活動しにくい状態にありました。
色々なタイミングの悪さやすれ違いが重なって、
持っている実力を全て出すことが出来なかったように感じました。
各所が最大限努力した事柄も連携がうまくいかねば効力が薄まります。
二度と同じ悔しい思いはしたくない・・・
きっとその思いは職業に関係なく同じだと思います。
自衛隊は緊急を要し、自衛隊以外対応が困難な時、全力で公共の秩序を維持しようとします。
超簡単に言うと『俺(自衛隊)じゃないとダメだ!と思ったら生活に必要な食料や水、毛布やお風呂を持ってすぐ行きます!みんなは休んでて!その間に必要なことをやります!』です。
昔に比べて自衛隊の特に迷彩作業服を見て「安心」してくれる人が今は増えていると思います。
普通の感覚では迷彩の服装や俗に軍服と呼ばれる造形の服装を見ると若干のドキドキがあるはずなんです。
(高速道路上でパトカーや白バイを見ると何も悪いことしていないのに何だかドキドキする。と似た感覚です。w)
自衛隊の制服を見て安心してもらえるなんて本当に誉れだなと思います。
自衛隊に常に求められるのは『最大、最速』絶大な効果があること。
絶大な効果を出すために日頃からやっている陸上自衛隊の訓練の一つに『非常呼集』があります。
この訓練は随時行われていますが、いつ行われるかはもちろんわかりません。
書いて字の如く、非常事態が起こったとし、深夜や早朝に集合がかかります。
もちろんパジャマでテクテク集合場所に行くわけではありません。
示された、すぐに部隊行動できる服装(装備)を身につけ最速で集合します。
よって自衛官は『寝間着』を着ません。
ほとんどの隊員が肌着(又は肌着同等のもの)で寝ます。
なぜならば「一刻を争う時に寝間着を『脱ぐ』時間が煩わしい」からです。
寝間着を着ていないなら服を『着る』時間だけで済みます。
そうやって、削れるところを全部削って最短新記録更新を常に目指しています。
海上自衛隊も同じく『緊急呼集』があります。
艦艇に勤務している隊員で艦艇以外に居住している隊員は緊急出港に備え全力で艦艇に向かいます。
私の旦那様も連絡を受けた後、発した言葉は『了解』のみ。
音もなく家を出ました。
見送ることができたのは隊員家族としてはありがたいことでした。
その時私は九州にほど近いところにいましたが、その揺れ方は尋常ではなかったです。
長く激しく、感覚狭く何度も起こる揺れ。
携帯からはその都度警報が鳴り響きます。
震源地付近の方々は不安な夜を過ごしたのだろうと思うと身につまされます。
長くなりましたが、ここからが本題です。
自衛官は事が起これば即座にそれぞれの任務に就きます。
365日、24時間いつでもです。
自分の親が危篤でも、自分の奥さんの出産の時でも、自分の子供が病気でもです。
災害はいつ起こるかわかりません。
不測の事態の時に『家族としてどのように行動するか』は常に彼氏さんや旦那さんである自衛官とよく話し合って欲しいです。
最低限の安否確認と避難経路、旦那さん以外の家族の集合場所。
緊急持出袋の用意。
官舎に住んでいる人は年に一度防災訓練を行うと思います。
お仕事等されていて忙しい方もどうか一度は参加して下さい。
それ以外の住宅にお住いの方は彼氏さんやご旦那さんと一緒に、
緊急時に家を出る前に「ブレーカーを落としてから外に出る。」等の一連の行動をどれだけ早くできるか試してみて下さい。
日頃から行わないとなかなかスムーズにいかないことにビックリします。
因みに、我が家の緊急時の場合「『無事です』と自身の身の安全を連絡するのみ」となっています。
あとはそれぞれの仕事に向かいます。
冷たく感じるかもしれません。
もっと言葉を交わして応援したり、安心したい気持ちもありますが、
私自身も予備ですが自衛官ですので招集ががかかればすぐさま行動します。
任務に就いたら悠長に携帯など見れません。
「大丈夫?怪我ない?どこにいるの?いつ頃帰れそう?」なんて聞いたら相手は返信しなくちゃいけません。
メールや電話をしている場合ではないのです。
回線も混雑して繋がりにくくなるかもしれません。
『無事です』の4文字だけなら3秒くらいで送信できます。
なので、きっと相手が一番知りたいであろう事柄のみ送りつけ終了です。
東日本大震災の時も「無事です」と連絡が来たまま数日音信不通になりました。
数日後、一瞬会えましたが替えの下着を(ラグビーボールをパスするようにw)渡してまた音信不通です。
私も無事なのがわかっているので心配せずにいられます。
彼の一番大切な私を私自身が責任を持って守ります!
『こちらは気にするな、さぁ行ってらっしゃい!』と思っています。
きっと後顧の憂いなくお仕事頑張ってくれるはずです。
他の誰でもない、私が仕事の邪魔をしたくないのです。
彼がいなくても私はきっと家族を守る。
彼らはもっともっとたくさんの家族を守る。
自分のとか他人のとかはではなく、みんな誰かの大切な人だと思います。
そして一刻も早くみんなで日常を取り戻す。
日本は地震大国です。
日本自体がいくつかのプレートの上に所在し、
そのプレートは年数cm〜十数cm動いています。
動いた大地に負荷が発生し、傷ついたり元に戻る時に地震が起こります。
法則もなく、規模もわからず、いつどこに起こるのかもわからない。
地震が多く起こる国だとわかっているならば、
常に備え警戒し事が起これば何度でも取り戻す。
自衛官の家族は、不在の中立ち回らなくてはならない事が多々あります。
不安に感じる事もあるかもしれませんが、
日頃のコミュニケーションで不安のほとんどは解消できます。
話をすることも家族の絆をより強固なものにしてくれるでしょう。
『信頼されているから任される』は自衛官妻にどんどん自分に自信をつけ綺麗にしてくれます。
素敵な奥様になって欲しいと心から思います。
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