自衛官は怖い!優しくてもやっぱり怖い!
みなさんは、自衛官に対してどんなイメージを持っているでしょうか? テレビの報道などで自衛官を見ると、「強そう」「かっこいい」「頼もしい」というイメージを持つ方が多いようです。
しかし、イベントやパーティなどで実際に自衛官と対面すると、「怖そう」「近寄りにくい」という印象を持つ方が少なくありません。ひと言ふた言会話をすれば、「意外と普通かな?」「見た目と違って優しい人みたい」と印象は変わってくるのですが、ちょっとした瞬間に鋭い眼光を突きつけられて「やっぱり怖い!!」と脅えてしまうことも。
実を言うと、自衛官と10年以上接している私も「自衛官は怖いなあ」と常々思っています(笑)
本当はそんなことはないと分かっていても(だからこそ自衛官と接するお仕事を続けているのですが)、初対面ではほとんどの自衛官に対して「怖い」という印象を持ってしまいます。
なぜ自衛官は怖いのか。今回は、その「なぜ」から彼らのお仕事内容を、そして「怖くなくなる方法」をお勉強しましょう。
怖い警察官と優しい警察官、どっちがいい?
自衛官と並んで、「怖い」という印象を持たれがちな職業に「警察官」があります。警察官のお仕事は市民の安全を守ることですが、例えば重大な事件を起こした犯人を警察官が捕らえようとしているとき―。「止まれ!!」と犯人に叫んだ警察官はどんな顔をしているでしょうか? ニコニコと優しい顔をしているでしょうか? それとも、厳しく怖い顔をしているでしょうか?
正解は、もちろん後者の「厳しく怖い顔」ですよね。ニコニコと優しい顔をしていたのでは犯人に「この警察官なら倒して逃げることもできそうだな」と思わせてしまいますし、最悪新たな事件に発展することになるかもしれません。また、犯人から自身や市民の安全を守るという重大な局面を迎えている警察官も、ニコニコと優しい顔をしていたのでは気合いが入らず、捕まえるときに適切な行動ができなくなるかもしれません。
このように、警察官は必要があって「怖い」人になっていて、そしてついつい普段から「怖い」という印象を持たれてしまいがちです。
自衛官は「営業スマイル」ならぬ「営業強面」!
そしてこれは、自衛官も同じです。自衛官のお仕事は、国や国民を守ること。そのために日々厳しい訓練を繰り返すうち、だんだん顔が「怖い」ものとなっていき、ついつい普段から「怖い顔」になってしまいます。
みなさんも、お仕事でお客さんや上司に対して「営業スマイル」をすることがありますよね。自衛官の場合は、その逆バージョンの「営業強面」といいましょうか……そのような感じです。
自衛官が「怖い」という印象を持たれがちなのは「顔」だけが理由ではありません。「動作」からも同様の印象を持ってしまうことがあります。言葉は適切ではないかもしれませんが、どうしても自衛官の動作は「ぶっきらぼう」に見えてしまうんです。これも、お仕事が理由です。
ぶっきらぼうな動作が必要なとき
私は陸上自衛隊の予備自衛官(民間でお仕事をしながら、有事や災害時に招集される非常勤の自衛官)をしているのですが、任官して間もない頃、ある意味「最も難しい」と感じていた訓練がありました。何度やっても失敗して怒られてばかりだった訓練です。それは、警備の訓練。
自衛官が警備を行っている場所へ人が立ち入るときには、警戒レベルによってさまざまな手続きが行われます。立ち入る人の証明書を確認する、というのもその手続きのひとつ。
私が警備の訓練を受けているときにも、立ち入ろうとする人がやってきました。証明書を出されたので両手で受け取ると、「左手で受け取れ!」と怒られました。「右手は銃から離すな!」と。
普段、私たちがお仕事をしている世界では、名刺などを出されたら両手で礼儀正しく受け取りますよね。片手で受け取るなんて失礼なことは絶対にやってはいけませんよね。私も普段はその世界で生きているので、ついつい右手を銃から離し、両手を出してしまったんですが、警備中にこれは絶対にやってはいけないこと。相手が武器を持った悪意あるテロリストな可能性もあるので、右手は銃から離してはいけないんです。ですので、証明書などは左手だけで受け取らなければならないんです。
分かっていながら出てしまう職業病なクセ
「証明書を両手ではなく、片手で受け取る」。このような、「一般の世界では失礼とされているけど自衛隊では必要な動作」はほかにもたくさんあります。これらの積み重ねで、自衛官の動作はどうしても「ぶっきらぼう」に見えてしまい、「私のことを丁寧に扱ってくれていない」と感じることもあるかもしれません。
とはいえ、自衛官も警備中などではない場面で名刺交換を行うときは、ちゃんと両手で受け渡しをすることがほとんどです。私も迷彩服に着替えたら、民間企業の世界の丁寧さは頭から捨てて、「ぶっきらぼうなのは悪いことじゃない! 私や仲間、国民を守るために必要なこと!」と切り替えて訓練に臨むようにしていますし、同じように自衛官もオフのときは頭を切り替えて「今は仕事中じゃないから動作を丁寧にしよう」と心がけています……が、どうしても出てしまう職業病。人によっては、「とっても怖くてぶっきらぼうな人」と思われても仕方のないような方もいらっしゃいます。
「怖い」のは当たり前!上手にお付き合いしましょう!
以上のことを理解すれば、もし「怖い」という第一印象であっても、徐々に「ああ、この人は怖そうに見えるけど優しい人なんだな。ぶっきらぼうに見えるけど私のことを大事に思ってないわけではないんだな」と分かってくると思います。「お仕事をがんばっているからそう見えてしまうだけで、本当は違うんだな」と。
しかし、お付き合いを重ねる中で「いくら頭では理解しててもやっぱり怖い!」と感じてしまうことがあったら、タイミングを見計らって落ち着いて伝えましょう。「ケンカしたときに目つきが急に鋭くなると、恐怖でなにも言えなくなるからやめて欲しい」「急にやめるのは無理でも、私は怖がっていることだけでも分かって欲しい」などなど……伝えなければ分かりませんからね。お互いの感情も、職業病も。 Azərbaycanın ən yaxşı onlayn kazino saytlarının reytinqi
ということで、今回は「怖くてぶっきらぼうな自衛官」のお話でした。重複しますが、長年自衛官と接している私もいまだに自衛官の顔は「怖い」ですからね(笑)
決して「どうしても彼の顔を怖いと思ってしまう自分」を責めずに、「そう感じてしまうのはしょうがないんだな」と受け入れて、上手に自分の感情ともお付き合いしてください!
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